「元禄御畳奉行の日記」神坂次郎

d0065324_164781.jpg
「元禄御畳奉行の日記」神坂次郎 
1984.9 中公新書・刊 ¥480
翌年1985.1には11版ですからベストセラーですね。











d0065324_16472546.jpg



帯にあるように、元禄に生きた酒好き女好きのサラリーマン武士が無類の好奇心で書き残した稀有の日記をもとに当時の世相を生きいきと再現する  本ですね。 日記名を「鸚鵡籠中記」といいます。


御三家の一つ名古屋尾張徳川家に仕えるフツークラスの武士・朝日文左衛門が書きも書いたり8,863日に亘って書いた日記です。
内容は、当時の世相、物価から天候気象、日蝕、月蝕の観察、城下に起きた大小の事件から身辺雑記、演劇批評から博打情報まで、興味の赴くままに書き継いでいます。

幕政への批判、藩政の無能、名君と言われた四代藩主吉通の実態や、生母の淫乱極まりない行状を書き残していますが、もしばれたら即刻切腹ですよね。


実は、これがとんだバカ殿様で、いきなり寒中水泳をやるッと言い出したが池の水が冷たいので不機嫌になったから家臣共が簡易プールを造って大鍋で湯を沸かし使って貰ったはいいが、いい加減な造作で雨漏りならぬ水漏れがして1回でパー。なんと800両の無駄遣い。また荒淫にふけり、それがもとで早死に。

この子--吉通--にして、この母あり。家臣であれ、相撲取りであれ、役者であれ、町人であれ、気に入った男はすべて引きずりこんで淫戯に耽り、とうとう幕閣の知るところとなり、閉じ込められて、男欲しさに狂い死に。


文左衛門、最初の勤務は御本丸御番。本丸の警備ですね。それがなんと9日に1回の勤務。月に3日ほど宿直すればいいのです。それも弁当持参、お酒OK!  一つの仕事に武士が3人というくらい、人が余っていたんです。  あとは”自由時間”!!  本来ならば、文武両道に励むべきなんでしょうが、そんなことをする訳もなく、魚釣り、観劇、宴会、ネタ探しの徘徊、博打などに励んでいるんです。
やはり、小人閑居して不善をなす   ってやつでしょうか。
100石+アルファの収入でも毎日酒が飲め、女遊びも出来たんです。そうそう、彼は酒の飲みすぎで肝臓がイカレ、多分肝硬変で若死に(46歳)してしまいます。
女といえば、弓道場主の娘を娶るんですが、じきに女中に手を出し妻妾同居を敢行します。妻の嫉妬に悩まされ(当然ですね)10年で離縁するのですが、再婚しても又もや女中を孕ませたりしています。


まぁそれやこれや文左衛門のチョー・ミーハーぶりには感心するくらい色んな情報を日記に書いています。下手な小説よりよほど面白く一気読みもいいとこでした003.gif
トラックバックURL : https://amamori.exblog.jp/tb/7321434
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
Commented by い~さん(^.^) at 2008-02-22 18:18 x
さすが~あ~さん
御紹介ありがとうございます (^^♪

こういうのが残っているんですね~
後世 読まれることを意識してたんでしょう~かね

9日に1回の勤務とは~いいですね
なぜ~いまは~こんなにも
忙しいんでしょうか    (^_-)-☆
Commented by amamori120 at 2008-02-22 19:53
>いーさん
山ほどのエピソ-ドがあって紹介しきれません。
是非ご一読ください。

9日に1回の勤務で100石+アルファですからねぇ
やはりそんな体制は崩壊しますよね

これが世間の目に触れたのは、昭和40年代になってからだそうです。
Commented by はーさん at 2008-02-22 22:15 x
ばれたら切腹の日記 不思議なことに必ず 
世間の目に触れる時が来るようですね~
今も どこか知らないところに~きっと
素晴らしい宝が 眠っているのでしょうね☆
Commented by amamori120 at 2008-02-22 22:57
>はーさん
こんなヤバイ日記が尾張家の奥文庫に、焼却されもせず、残っていたのは謎だと著者が言ってます。
やはり心ある誰かが秘匿したんでしょうね。
Commented by 桃源児 at 2008-02-23 07:55 x
鸚鵡籠中記、名前は聞いたことがあります。これは面白そうな内容ですね。
女好き、酒好きだったのも、9日に1回という勤務のため、暇を持て余していたからでしょうね。
Commented by amamori120 at 2008-02-23 09:14
> 桃源児さん  おはようござんす。
おっしゃるとおり、資本主義の尖兵に徹していたら、そんな暇はないですよねぇ ww

しかし無類の筆まめな武士だったんですね。
Commented by nyhanako at 2008-02-24 01:30
さすが! お目が高い! これ面白かったですよね。
この本は方々で書評が出て、確かNHKでドラマになっていたはず。その後こういった庶民の日記を掘り起こして時代検証するのが流行った気が。そのせいか時代劇もずっと面白くなりました。

田辺聖子さんの、どこかの大店のおかみさんのお伊勢参りの日記を紹介してくださった「姥ざかり花の旅笠」というのも面白かったです。
Commented by amamori120 at 2008-02-24 10:48
>nyhanakoさん  こちらでは、おはようござんす。
よくご存じで♪  短いエピソードがTV化されたようです。
その後、本書の形で書かれたんですね

「姥ざかり花の旅笠」なんとまぁ getしてあるんです。読みにかかるか♪
Commented by みっちゃん at 2008-02-25 21:48 x
 > 又もや女中を孕ませたりしています
なんだか最近では(・_・)イーサン・ホーク思い出しますわ♪
Commented by amamori120 at 2008-02-25 22:05
>みっちゃん
文左衛門は芝居小屋で脇差しを盗まれるような武士。
暇だとロクなことをせえへんのどす ww
名前
URL
画像認証
削除用パスワード

※このブログはコメント承認制を適用しています。ブログの持ち主が承認するまでコメントは表示されません。

by amamori120 | 2008-02-22 17:01 | 読後感・本の紹介 | Trackback | Comments(10)