新羅の狛犬?

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いつかは読むだろうと「積んで」ある本が結構あって、時々家人Tに文句を言われていますが(-_-;)、この本もそのひとつで、ある時、何気なく開いてみたら・・・










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「新羅 高麗の仏像」中吉 功・著  1971.3 二玄社・刊  ¥2,800

あくまで仏像の本で、こんな図像ばっかりです
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これも結構なんですが、何か狛犬関係のがないかなぁとパラパラめくっていたら、こんな写真を見つけました
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慶州(新羅の都ですね)の東南約60キロ、仏国寺の東北にあたる海抜約60mの吐含山の中腹近くにある石窟です。
仁王が釈迦如来を守っています。(阿吽になってるかどうかは見えません)
俗説によれば、石窟は日本海に面し、日本の兵禍を避けるために設計されたといいますが、著者はこれを妄説と切り捨てています。


釈迦如来像です
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次に見つけたのがこれです005.gif
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智異山華厳寺(K国全羅南道求礼郡馬山面黄田里)の舎利塔ですが、これは新羅石塔の最高位にランキングされてるそうです。8世紀中葉の作?

石獅子の体躯は肥満していて、量感の充実をもって彫刻の本領とした盛唐・玄宗皇帝代の流れに呼応しているそうです。(楊貴妃がグラマー(古っ であったことは知られていますね ww)

<雨漏りメモ> 舎利塔とは元来釈迦あるいは聖者の身骨を奉安する宝塔のことで伽藍内の象徴として重要な存在である。仏滅後、信徒の教祖に対する熱烈な追慕の念は、舎利塔供養礼拝に顕現したものと言える。いわば色身供養の最大のものが舎利塔供養ということになる。だから信徒はこれを生ける仏陀として恭敬供養の誠を尽くすべきものである。本書より


比丘像は中国華厳の第三祖である法蔵法師の像と考定され、四隅の石獅子像を、法蔵法師が則天武后のために宮中の長生殿において華厳経を説いたときに、殿隅の金獅子を指して、比喩として、華厳の十玄六相の深義を説いたことにヒントを得て作られたものと推定できる。その基づくところは華厳金師子(獅子に非ず)章に由来する。


難しいことは、さておき、この石獅子、阿と吽が認められますね。他の2匹は見えませんが、これらが獅子・狛犬の祖流の一つと雨漏りには思えるんです。皆さんは如何でしょうか?006.gif



義城郡廃寺址三重獅子石塔
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ソウル慶福宮内庭(元は江原道 法泉寺)
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by amamori120 | 2008-02-13 01:45 | 狛犬ハンター・神社・神道