「百貌百言」 出久根達郎
2007年 11月 24日「百貌百言」 出久根達郎
H13.10 文春文庫・刊 ¥735
著者は「佃島ふたり書房」で直木賞を受賞しています。
二十世紀を生きた百人の風「貌」と「言」辞を、代表的なエピソードと名言で纏めた本です。
漱石、鴎外から石原裕次郎、美空ひばりまで、あらゆる分野から人選しているが、「筆者の好きな、卑しくない《面構え》を揃えた。従って政治家は少ない。」だから尾崎行雄くらいですね。今、話題の額○大臣など、この先、間違っても選ばれないでしょうね。
以下の人たちが雨漏りには馴染みの薄い方に属します。
皆さんは、よくご存じでしょうか?
添田知道 ↑の息子。「東京節」「復興節」「ストトン節」がヒット。「日本春歌考」の著者。
小川芋銭 画家。茨城県牛久沼のそばに住んだので「牛久の画聖」また河童の絵を好んで描いたので「河童の芋銭」。
宮川一夫 映画カメラマン。監督の女房役。稲垣浩、黒澤明、溝口健二、小津安二郎、市川昆ほか数十人と付き合う。
竹内浩三 詩人。昭和20年4月、フィリピンで戦死。24歳。
小熊秀雄 詩人、画家、童話作家、歌人、小説家、漫画台本家。
今 和次郎 早大建築学科教授。アメリカ大使、宮様に招かれても、冠婚葬祭にもジャンパー、ズック靴で行った。
鶴 彬 反戦川柳作家。
残りの90人ばかりは、お馴染みの顔ばかりですが、私の知らないエピソードも紹介されていて、興味深い一冊です。