「憲法九条を世界遺産に」

「憲法九条を世界遺産に」_d0065324_22454590.jpg「憲法九条を世界遺産に」 
大田光・中沢新一
2006/8 集英社新書  ¥693






いーさんちで見かけて追随しました。 
「憲法九条を世界遺産に」_d0065324_22473511.jpg


「憲法九条を世界遺産に」というのは”爆笑問題”の太田光サンが言い出したらしく、それに共鳴した多摩美教授の中沢新一サンとが何度か対談を繰り返し、それをまとめたのが本書です。

表紙裏にはこんな風にあります:実に日本国憲法とは、一瞬の奇蹟であった。それは無邪気なまでに理想社会の具現を目指したアメリカ人と、敗戦からようやく立ち上がり二度と戦争を起こすまいと固く決心した日本人との、奇蹟の合作というべきものだったのだ。しかし今、日本国憲法、特に九条は次第にその輝きを奪われつつあるように見える。この奇跡をいかにして遺すべきか、いかにして次世代に伝えていくべきか。お笑い芸人の意地にかけて、芸の中でそれを表現しようとする太田と、その方法論を歴史から引き出そうとする中沢の、希に見る熱い対論。宮沢賢治を手がかりに交わされた二人の議論の行き着く先は・・・・・。


自国の根幹をなす憲法の話ですから、面白いなどと言っては他人事みたいですが、二人の話は実際面白いんです。
一人は話芸が売り物の芸人、一人は喋るのが商売みたいな大学の先生。この二人の話し合いが面白くない筈がないですね。
お笑い芸人、人類学専攻の学者、と立場こそ違え同じ考えの二人が、それぞれの立場で発言する訳ですから、テーゼ アンチテーゼ ジンテーゼ とはいきませんが、随分と盛り上がっているのは確かです。

憲法九条の話に宮沢賢治がなんで出てくるの?と思われる向きは700円投資して本書を読みましょう。または図書館に、れっつぎょー いたしましょう ww
ドン・キホーテも出て来るんですよ。中沢サンは日本国憲法をドンキホーテになぞらえ、サンチョ・パンサという現実政治の二人が二人三脚をしてきたゆえに日本は近代国家の珍品として生き抜いてこられた、とも言ってます。まさに世界遺産たるべき所以ですね。

「憲法九条を世界遺産に」_d0065324_22494067.jpg

by amamori120 | 2007-10-04 22:53 | 読後感・本の紹介