紅のサザンクロス  藤川桂介

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紅のサザンクロス  藤川桂介  
1992・10  新人物往来社・刊  ¥1,500

アボリジニの味方をした白人が居たっ!







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18世紀の末に、オーストラリアに流刑植民地が設置され千人近い囚人達が送られてきた。
それと併行して、良民の移民たちも大挙して乗り込んできた。

そもそもオーストラリアにはアボリジニという先住民族が居て、のんびりと暮らしていたのだが、西欧人がドカドカと入ってきて彼らを圧迫し始めたのだ。
会田雄二「アーロン収容所」にも記されていたのをフッと思い出したが、イギリス人というのは、白人以外の人種を、「差別」じゃなく「区別」するところがある。 ここでもイギリスの統治者たちは、アボリジニ独自の文化を全く無視し、自分たちの流儀を押しつけて「未開の輩を教化」していると信じているようだ。

ここに流刑とされた囚人達は、泥棒や強盗犯ばかりではなく、政治犯たちも居た。
この物語の主人公ジョン・ケリーもその一人で、このオーストラリアの現状を見て、オーストラリアはアボリジニ達に返し、西欧人は出て行くべきだと考えるようになり、アウトロー達の中から仲間を作り、総督府への戦いの準備を始めた。
僅か十人足らずで強大な総督府に戦いを挑むのはまさに蟷螂の斧だが、白人の中に、アボリジニのために戦った者が居たということを彼らに知って貰うだけでも意義があると信じ果敢に挑戦するのだ。

「紅のサザンクロス」は彼らの旗で、何年も後に、アボリジニ達は追いつめられながら、ついにその生存を賭け、この大陸は自分たちの大地であると宣言して立ち上がったというが、彼らもこの「紅のサザンクロス」旗を掲げていたという。

18世紀の終わりに、流刑囚たちが初めて送り込まれたとき、50万から100万人居たというアボリジニは現在混血の者を入れても23万人だという。
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Commented by pinkcowgirl at 2007-09-16 05:59
オーストラリア大好きという旦那の友達は
ホテル代を節約するために、夜のバスで旅行する人なのです。
そうすると、バスの客もお風呂に入っていないアボリギニが大半
という事は、隣に座られると、大変ですよね・・・
今でも、他人の庭で夜は寝ちゃうとか
やはり、生き方にも問題がある?
Commented by amamori120 at 2007-09-16 09:13
>あや姐さん  お早いお着きありがとうございます♪

インディアンのために、こうした考えを持った初期アメリカ人は居なかったんでしょうかね?
もっとも、豪州とは状況が違いますが・・・
Commented by pinkcowgirl at 2007-09-16 09:59
今のインデアン居留地はカシノで財政潤ってきて、
子供の教育や健康にお金が使えるようになって、
若い世代ががんばっているみたいです。
アリゾナのある町の、あるレストランで
レストランの中や、前で
インデアンにジュエリーを売るのを許可している人がいるんですよ。
これが楽しみで私もその町通るたびにそのレストランへ寄るんです。
トルコ石と銀のネックレス、Squash Blossom を買っちゃいましたよ。


Commented by amamori120 at 2007-09-16 10:05
>あや姐さん
再度のご入来ありがとうございます。

どこの国にも、先住民族、少数民族の問題があるんですね。

 宝石好きの姐さん、アリゾナ行きが楽しみですね♪
Commented by い~さん at 2007-09-16 10:25 x
「差別」じゃなく「区別」~
これは ともすれば 
ナチの思想に近いと思います
また、奴隷~とも繋がっている思想がありそうですね
完全に区別ですから
人間と認めているかどうか(・・?
Commented by bara_aya at 2007-09-16 21:45
藤川氏といえば宇宙皇子を途中まで読んでいましたが、世界観というか根底にある考え方・捉え方に大きくうなづけるなとその昔思っていました。
(高校生だったので漠然と感じただけですが)
民族だの宗教だのの分け方がなくなって、地球人になる未来はいつ来るのかなーって思ったりします。
Commented by amamori120 at 2007-09-16 22:11
>いーさん  レスが遅れました。
当時の総督府の連中は、アボを殆ど動物扱いしてたような気がします。
ひどいもんですっ!  
Commented by amamori120 at 2007-09-16 22:28
>bara_ayaさん
宇宙皇子が代表作のひとつなんでしょうね。
地球人になる未来  我々が存命中は、まず無理でしょうね。
でも少しずつでも進んでいると信じたいです。
Commented by ハム姉さん at 2007-09-17 16:22 x
私も宇宙皇子完璧に読んでおりました。

彼の作品の世界観としては理解できますが、蝦夷だって同じだよね。
あそこまでハードじゃなくたって…

まっ、そんな事言っていたらアメリカ大陸見つけた奴ら、
チベット問題までてんこ盛り…地球人は闘争心の多い人間は無理かもね。
何千年何万年後、他の動物が代わって、くれるかもと思えちゃいます。
Commented by amamori120 at 2007-09-17 22:31
>ハム姉さん  レスが遅れました。
ほほう宇宙皇子 完読ですかぁ!  それはエライッです♪

猿の惑星になっちゃうんでしょうか?
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by amamori120 | 2007-09-16 00:12 | 読後感・本の紹介 | Trackback | Comments(10)