船戸与一「降臨の群れ」ほか

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船戸与一 「降臨の群れ」
2004.6 集英社・刊  ¥1,980

 を描く作家です♪







この作家の小説も、拙ブログにおいでになる美人ブロ友さんたちには、馴染みの薄い作品ばかりだろうと思っています (/_;)


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インドネシアのアンボン島がメインステージです。
イスラム教徒とプロテスタントとの激しい殺戮合戦を生々しく描きます。
最後には主役級が殆ど殺されてしまうんです。
日本人は60歳の、漁業技術者がたった一人だけ出演。
エビの養殖場の専門家なんですが、もう何年もインドネシアに滞在していて、16,7歳のメイドと男女関係になっていて、CIAにここを衝かれて協力させられるが、なんとか生き延びる・・・

我々無宗教の者には、殺してしまうほど相手を憎む宗教感情?なんてピンと来ませんが、同じ宗教でも宗派が異なるだけで殺し合ってる連中が世界中に居るんですね。
いつまで続くんでしょうか?


船戸与一サン
1979 「非合法員」でデビュー
1985 「山猫の夏」で吉川英治文学新人賞
1989 「伝説なき地」で日本推理作家協会賞
1992 「砂のクロニクル」で山本周五郎賞
2000 「虹の谷の五月」で直木賞をそれぞれ受賞されています。

my書棚の船戸コーナー?です。
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「金門島流離譚」 2004.3   毎日新聞社・刊  ¥1,860

これにも基本的には日本人はただ一人。主役です。
厦門ほか福建省で作られたニセブランド品を世界中に、ルートを作って売る、元総合商社マンだった男の生き様を描く一種の冒険小説です。
彼には、岳父にあたる総合商社の専務の失踪と深い関わりがあるという暗い過去があった・・・

以前、<金門馬祖>両島の帰属を巡って中国・台湾の間で紛争がありましたが、地図を見ると、台湾より中国にずうっと近いんですね。
この小説の舞台になる金門島から厦門までは、泳いで渡れるくらいの距離しかないんです。
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by amamori120 | 2007-07-06 21:39 | 読後感・本の紹介