小泉喜美子「月下の蘭」 他
2007年 05月 23日
小泉喜美子「月下の蘭」 他
1979.10 双葉社・刊 ¥980

小泉喜美子サンは1934年、築地生まれ。都立三田高校卆。抜群の英語力で、あの田村隆一サンの下訳をしたり、海外ミステリーの翻訳家として活躍したりしました。早川書房で田村サンの部下だった生島治郎サンと知り合い結婚。夫の反対を押し切って「弁護側の証人」で作家デビューしています。
この辺りのことは、UP済み 生島治郎 浪漫疾風録 で触れています。
1985年11月 ミステリ歳時記 を遺著として急死されました。51歳。惜しいことです。


「血の季節」1982 早川書房・刊

さて 月下の蘭 は、春夏秋冬 四つの季節のイメ-ジを主題に書かれた独立短篇集です。
築地生まれの小泉喜美子サンは小さい頃から歌舞伎に親しみ、ミステリーと歌舞伎の間に共通点を見出し、興の赴くまま筆を走らせたのが本書・・・だそうです。
目次をご紹介してみましょう。
月下の蘭 春は花 『双面水照月』
残酷なオルフェ 夏は星 『田舎源氏露東雲』
宵闇の彼方より 秋は虫 『土蜘蛛』
ロドルフ大公の恋人 冬は鳥 『積恋雪関扉』
これらの歌舞伎演目のストーリーを再現した訳ではなく、下敷きにしたイメージを上質のミステリーに仕立てたんですね。
朝倉 攝サンの見事な装丁と各章の扉絵をご覧ください♪





