夢枕獏「陰陽師 生成り姫」
2007年 04月 21日
夢枕獏「陰陽師 生成り姫」
2000.4 朝日新聞社・刊 ¥1,470
映画やTVでも有名な「陰陽師」のエピソーズの一つです。

嫉妬に狂った女が鬼に変じたのが般若。まだ女が般若になりきる手前の状態を生成りと言います。
表紙の女子は、可愛く描かれていますが、本当はもっと恐ろしい形相であることが本文から想像できます。
登場人物は、お馴染み安倍晴明、源博雅がメイン。
藤原済時に思われ通われていた徳姫が済時の心変わりで、落魄してしまいます。
さらに徳姫の家に伝わる天下の名器、琵琶の逸品を借り出した済時が新しい女に与えてしまったことを知った徳姫は「憎しみや哀しみを癒すどのような法もこの人の世にない時、もはや、人は鬼になるしか術がないのです。・・・毎日毎夜、何日も何十日も、幾月も、無常の世の理(ことわり)をもって済時様をあきらめようとしてきたのですが、できるものではございませんでした・・・」
晴明、博雅は済時を守ろうとするが・・・・
女の愛、女の嫉妬の怖さを思い知らされた物語でした。
ツルゲーネフの「初恋」だったかな? もう随分昔に読んだので定かではありませんが,父が息子(主人公)に言ったのを覚えて居ます。
「息子よ、女を恐れよ、女の愛を恐れよ」
by amamori120
| 2007-04-21 11:16
| 読後感・本の紹介

