時実新子 「有夫恋」 5 有夫恋
2007年 04月 12日
「有夫恋(ゆうふれん)」 おっとあるおんなのこい
1987・12 朝日新聞社・刊 ¥1,030
今回もハゲシイ句が多いです(*^_^*)

彼女の作品は、まるで一行詩みたいですが、あくまで川柳なんですね。
柳界の与謝野晶子と言われ異端視されたこともあったそうですが、研鑽を積んで色んな賞に輝き、多くの雑誌で選者として活躍されているそうです。
しかし、先月惜しくも死去されました。
ご冥福をお祈りいたします。 合掌
時実新子 (ときざね・しんこ) 本名 大野恵美子
1929年 岡山市生まれ
1945年 岡山県立西大寺高女卒
1946年 姫路市へ嫁ぐ(17才)
1947年 長女誕生(18才)
1951年 長男誕生(22才)
1985年 夫死亡
1987年 曽我碌郎と結婚(58才)
2007年 死去(78才)
<有夫恋 1976~80 >
☆抱かれたくなる 不意打ちのロック
☆象が膝折る 涙が湧いてくる
☆愛はそのとき物乞いに似たるかな
☆波の宿 別れてあげることにする
☆まして女の中を流れた十年よ
☆飛行機の昇る角度は恋に似る
☆飛行機の降りる角度は愛に似る
☆青梅を叩き落として夫婦かな
☆しずかに別れたかったけれど砂塵
☆火の女とて昼の戸を閉ざされる
☆獣姦求む急いで森の奥へ来よ
☆獣姦輪姦強姦この身まだ美し
☆男を脱ぐ青のしたたる朝なりし
☆きりきりと女極道月影踏む
☆梨の芯かなしいせっくすがおわる
☆人を信じた舟を一艘焼き尽くす
☆さくら咲く一人ころして一人産む
☆相愛の五月 血の音聴き給え
☆結び目の三十年の瘤の垢
☆血の中に今百匹のキリギリス
☆わが日々はサーカスもどき梅もどき
☆膝がしら涙受けんと生まれしか
☆裂ける雷(らい)ただひたむきの裸身たり
☆墓の下の男の下に眠りたや
☆鬼と暮らして鬼のふんどし洗いおり
☆ころしてよ頸に冷たい手を巻いてよ
☆こおろぎの顔つくづくと四十すぎ
☆菜の花の風はつめたし有夫恋
☆暖冬にうまく女を捨てましょう
☆よその男と命の芯をみつめ合う
☆指で梳く髪あしたからまたひとり
☆秋の日はつるべ落としよ重ね婚
☆離婚前王手王手の詰将棋
☆カザノヴァに逢いたや指の反るほどに
☆ビール缶ぺこんと暮らし荒れてゆく
☆じゃんけんの好きな男の妻になる
☆愛果てて蟻百匹と眠るかな
☆別れたらチロリン村へ行くつもり
如何でしたか?
アナタの心に届いた句を教えてください。
<川柳返し>有り難う存じます
☆さくら咲く白い月夜に血を埋める byみっちゃん
☆別れの夜オカメのお面に涙する by jsbyさん
☆慰めのギター受話器を耳をあて by長屋女王さま
☆ キリギリス、いつか見返す! 蟻の意地 by絵美香課長

