澤田ふじ子「足引き寺シリーズ」

澤田ふじ子「足引き寺シリーズ」_d0065324_011967.jpg足引き寺閻魔帳シリーズ

これも澤田ふじ子さんの人気シリーズです。
澤田さんは、足引き寺の実在を信じておられるようです。




やはり京が舞台です。
京・堺町綾小路に名前ばかりのお堂を構える地蔵寺の住職・宗徳、西町奉行所同心の蓮根左仲、左仲の手下(てか)で十手を預かっていて普段は羅宇屋の格好で町廻りをしている与惣次、扇絵師のお琳、そして宗徳の飼い犬、豪が本シリーズの主人公たち。
足引き寺とは、足を引っ張るーーつまり対象の不都合になることをやるーー極端な場合は殺すーーそういうことを叶えてくれる寺があると京の人々は信じていた。
ほかにもあるかもしれないが、この地蔵寺は、まさしく足引き寺だった。
澤田版「必殺仕掛け人」と言ってもよいでしょう。
他人にさまざまな恨みや辛みを心に抱く人は多い。不正や自分の手に負えない相手に、こっそり誅伐を加えてくれないものかとの願望が<足引き寺>を実在のものとさせたのだ。
ただ、彼らは心底正義感に溢れた者達で、寺の賽銭箱に入れられた願文の、足引きの内容によっては、ロハでも仕事をするし、たとえ十両の金が添えられていても、”正義”がなければ動かない。
しかし、やる時は断固としてやり、達成率、成功率は100%。

宗徳は、京都西町奉行所与力黒田長兵衛の次男として生まれ、本名は小十郎といった。蓮根左仲とは同年の幼馴染みで、二人とも二条城城番衆の桃田市郎右衛門について柳生新影流を学び、京都在勤数百人の武士達のなかではトップクラスの遣い手と言われるようになった。
しかしある時、北野新地の遊女を足抜きさせた時にヒモの男に瀕死の重傷を負わせたことがバレ、十年の遠島に処せられた。無事に帰京した小十郎は、知恩院の末寺で檀家が一軒もないような地蔵寺の住職とされ、兄からの影扶持と本山からの極小な手当を貰って暮らしている。
お琳は、美濃大垣藩浪人の娘で一度上京(かみぎょう)の表具師に嫁いだが、一子を設けたあと、夫が不幸な死に方をし、その際の処理に不満を抱いて仲間になった。吉岡流小太刀の名手。東洞院蛸薬師で町絵師をしている。本シリーズの巻が進むにつれ、宗徳に思いを寄せるようになり、ついには恋人となる。

左仲には、お貴和といって、四条の旅籠・枡屋の養女分になる綺麗な恋人がいて、公認の仲。桝屋の主人、お貴和の養父などは、左仲が奉行所を辞して、彼女と正式に一緒になって旅籠を継いでくれることを期待しているほどだ。
紀州犬の”豪”は、人語を解し、京都弁で考える不思議な犬。連絡係や尾行係を務めたりするほか、足引きのケースを嗅ぎつけて来たりもする実に賢い犬だ。一度、手練れの武士に切り刻まれるが、後、見事復讐を果たす。


こういう四人と一匹の”足引き”の事件簿が本シリーズで、文庫本が出ている5巻まで読了しました


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以前UPした公事宿シリーズ」「禁裏御付武士シリーズ 、先日読了した「祇園社神灯シリーズ」。いずれも、どの巻の、どの篇からでも読むことが出来ます♪
出演者、状況等が必ず説明されているからです。

澤田サンの小説の特徴は、
①京都が舞台
②誰も使わなかった職業の人物を起用している
③完璧な勧善懲悪  
④著者は人間が好きらしい   etc


騙されたと思って、お暇があったら、一度澤田ふじ子サン、囓ってみてください。
by amamori120 | 2007-03-18 00:26 | 澤田ふじ子を読む