生島治郎「世紀末の殺人」ほか

d0065324_0313181.jpg世紀末の殺人  生島治郎 1992・5 
(株)スコラ・刊  ¥1,450

惜しくも先年物故された生島治郎サンの、読み漏らした作品をgetしました。



拙ブログにおいでになるのは、良家の奥様方、お嬢様方が殆どなので、彼の作品は、あまりご存じないかと拝察します。
実は、この作家は、日本のハードボイルドの草分け的存在で、なおかつ、ずっとこの分野の第一人者であり続けた人なんです。
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「新宿鮫」シリーズで一躍スターダムに乗った大沢在昌サンなどは、生島サンの弟子筋、弟分にあたります。

生島サン上海生まれなので、中国を舞台にした、アクション物、スパイ物も数多く書いています。
最後に掲出の画像を参照下さい。
代表作と言われる「黄土の奔流」も中国物ですね。
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ついでですが、1964年、「傷痕の街」で作家デビュー、1967年「追いつめる」で直木賞を受賞しています。

それから、これなら或いはご存じかな?と思うのは「片翼だけの天使」シリーズ。ベストセラーでした。
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実生活において、彼は韓国人のトルコ嬢(今はソープ嬢と言うそうです)と結婚したのですが、彼女との結婚生活の顛末を小説化したものです。
余談ですが、彼の葬式には、法律上離婚した彼女も遺族として参列していました。
ハードボイルド、スパイ、アクション物に抵抗を覚えるレディの皆様も、これなら結構面白く読めるのじゃないかと思います。一種の恋愛小説ですから。

片翼シリーズ:私にはとても思い入れのある作品たちです。


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さて「世紀末の殺人」です。
生島サンのシリアスな探偵物のレギュラー、私立探偵・志田司郎が主演です。兵庫県警捜四の元刑事。40代半ば。恋人で女だてらに刑事事件専門の弁護士をやっている久我典子32才も出ます。二人ともバツイチ同士なので当面結婚する意志はない。

典子の紹介で、志田は押木三郎という人物から仕事を受ける。一ト月100万という破格の報酬。
押木商事という会社をやっているが、これは何でも屋で、儲かる分野には何でも首を突っ込むタイプ。ダイヤモンドの売買では日本でも屈指の業者だと自負している。

その彼が、殺される予感がするので、自分を守って欲しい、もし殺された場合は犯人を見つけて欲しいという依頼だった。
今から振り返れば、ぼつぼつバブルも弾けそうな時期。土地や株はリスクが大きいので、ダイヤモンドに投資対象をシフトしてきた、バブルで大儲けした悪い奴らが、表沙汰に出来ない、脱税がらみの裏金で押木からダイヤを買っているのだ。それも何億、何十億という巨額な金で。
バブルが崩壊しそうな兆しを感じてきた彼らは押木を煙たく思い始め、できれば消してしまいたいと考え始めたのではないかと押木は怖れている訳だ。
右翼の巨頭、広域暴力団のトップ、有力政治家、悪徳資産家などがそうだ。

押木のスポンサーの一人である阿川がオーナーである蓼科の超々豪華ホテルー会員権5千万円、年会費3百万円、宿泊費は別ーで押木がパーティを開き、自分を殺しそうな連中をそれとなく紹介するという。
そして事件は起きる。
まず、志田が押木と一緒に居る時にライフルで遠方から狙撃される。
次に、宴会場で押木が飲む筈だったワインを別の客が飲んで倒れる。
さらにホテルのゴルフコースでナイフを持った男に襲われる。
とうとう殺人事件が起きるが、なんと殺されたのはホテルのオーナー阿川だった。それも志田と典子と押木が、マジックミラーから阿川の変態性愛場面を見ている目の前で、殺し屋が阿川を射殺したのだ。
その殺し屋も、また死体で発見される。

志田は押木を守れるのか? そして事件を解明出来るのか?


多分、誰方も読まれないと思うので、言っちゃいますとww すべてを仕組んだのは押木なんです。  HOW? WHY? それを楽しませるのがプロの作家ですね♪


my書棚にある生島作品です。
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お疲れ様でした <(_ _)>
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Tracked from 元ゴルフ研修生のクラフト.. at 2007-03-20 01:53
タイトル : ”驚異のゴルフ上達法”を伝授!
一般の書物では絶対に公開されることの無い初心者から上級者まで全てに関係なく効果の出る未来永劫変わる事の無い絶対的ノウハウを公開!... more
Commented by jsby at 2007-03-13 11:39
生島治郎シリーズだけでも、20冊以上の本をお持ちとは驚きです。師匠の説明だけでも、器の大きな作家ぶりが偲ばれます。
Commented by amamori120 at 2007-03-13 15:36
>jsbyさん レスが遅れました。  船橋東武・天厨菜館で酢豚ランチして来ました。ついでに地下もぶらぶら♪
生島サン、惜しい作家をなくしました。
Commented by masuchi-mama at 2007-03-13 17:13
懐かしい作家のお名前でした。え・・お亡くなりになってたのですね。
「片翼だけの天使」若い頃に読んだ記憶あります。なんせ奥様が
風俗の出身で・・・話題を呼びましたよね。でもカワイイ気性の方で
生島治郎氏はその韓国出身の奥様を大切に愛してたような・・
本の内容だったと思います。すごい小説家だなぁ~と感じてました。
赤裸々に語っていた記憶が・・でも離婚したのですね。
本棚に無いので捨てちゃってますが。
しかしよくお読みになってますね(^0^)
Commented by amamori120 at 2007-03-13 17:58
>ますちーお姉様
内容は仰有る通りです。 よく覚えておられましたね♪
法的には離婚しましたが、色んな都合があってのことで、二人の間の愛情は変わりませんでした。
彼も、彼女に出会えて作家としても幅が広くなったようです。
Commented by い~さん at 2007-03-13 21:38 x
こんばん~わ~

生島さん~
なまえだけは、知ってますけど~
読んだことがありません~~(笑)
人生ほんとう いろいろありますね~
Commented by みっちゃん at 2007-03-13 21:46 x
新宿鮫と言えば・・・jsbyさんちの真田 広之が映画に出てたような・・・
あぁ・・あの頃の新宿は熱い街だったわ♪(っていったいいくつやねん!)
そうえいば・・・ 桑原譲太郎の新宿純愛物語思い出しました・・・こっちの作者も危なそうな・・(シツレイ♪)
Commented by amamori120 at 2007-03-13 22:11
>いーさん  こんばんHA。
生島サンのハードボイルド物、内容は殆ど覚えていませんが、”片翼”は、すべて覚えています。  韓国に凝っている頃でもありましたので♪
Commented by amamori120 at 2007-03-13 22:19
>みっちゃん  明日から又早番3連荘 ^^;
真田 広之クン 原作のイメージとは大分違う感じです。
”片翼” 一度読んでもらいたいなぁ
Commented by 狐洞書房 at 2011-01-14 20:22 x
こちら、岩手県の狐洞書房と申します。
昨年10月に開店しました。インターネット専門店です。
生島治郎の図書も揃えました。短編集が多いです。
入手困難な物もあります。格安にしております。
一度、ホームページをご覧ください。
検索は、狐洞書房、で大丈夫です。

Commented by 雨漏り書斎主人 at 2011-01-14 21:03 x
> 狐洞書房さん
ご案内ありがとうございます。
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by amamori120 | 2007-03-13 00:55 | 読後感・本の紹介 | Trackback(1) | Comments(10)