「歌舞伎万華鏡」 丸橋恒夫
2006年 11月 20日
「歌舞伎万華鏡」1993.6 新日本出版社・刊 ¥2,400歌舞伎好きの usayamamaさん、 moimoiさんに触発されて、柄にもなく、歌舞伎関係の本を読んでみました。

著者の丸橋恒夫サン(筆名)は、永年「前進座」で事務方を務め、事務局長、宣伝部長などを歴任された方だそうです。
歌舞伎とはあまり縁のない育ち方をしたひとりの男が、どのようにして歌舞伎と出会い魅せられたか。いまはどのように歌舞伎を見ているか。そうしたことをまとめてみた 本です。
Ⅰ いま歌舞伎がおもしろい
”こんぴらさん”で知られる四国・琴平町の”こんぴら歌舞伎”を案内しながら歌舞伎のおもしろさを教えてくれる。
「歌舞伎はお洒落な色彩のドラマであり、その”色”の劇的な効果は歳 月をかけて計算されたもの。」
「歌舞伎は語りや唄、三味線をともなう舞踊ときりはなせない演劇でもある。」
「歌舞伎はストーリーやテーマより、まず役者でみる、女方でみる、その芸を楽しむ・・・」
「”虚”によって日常を超えた”実”をみせる歌舞伎の技・・・」
等々興味深い叙述も随所に。
鼠木戸、盆、せり、すっぽん、いさり火、世話物、通し、みどり・・・・独特の用語も自然に覚えます。
Ⅱ 歌舞伎の受難
出雲の阿国が始めた「お国かぶき」から「若衆歌舞伎」「野郎歌舞伎」「元禄歌舞伎」「天明歌舞伎」・・・体制側の度重なる圧迫に耐え、現在に至る歌舞伎のシブトサを概観する。
「菅原伝授手習鑑」「義経千本桜」「仮名手本忠臣蔵」が時代物の三名作と言われているが、その概要なども。
Ⅲ 歌舞伎に出会って魅せられて
著者の「歌舞伎開眼」は、歌舞伎十八番の内「鳴神」との出会いだったそうです。そのヒロイン、雲の絶え間姫を見て、目から鱗が落ちる思いがした。艶やかな美しさ、豊かな色気と漂う気品、内に秘めた強靱な意志、そのすべてをつつんでいる古劇らしいおおらかさ・・・
歌舞伎の面白さ、楽しさ、素晴らしさを満喫させてくれる本でした。
すぐにでも歌舞伎座へ飛んで行きたくなりました ♪

