村山由佳 「きみのためにできること」
2006年 10月 25日
主要登場人物 高瀬俊太郎
秋本日奈子
鏡 耀子
キジマ・タカフミ
高瀬俊太郎は千葉・南房の高校を卒て、都内の音響専門学校に学び、今は或るプロダクションに勤めている。
高校の時、映画部長だった彼は、その作品がある催しで佳作となり、その時、表彰状を渡してくれた、世界的な音響効果の権威キジマ・タカフミに憧れて、この道に進んだのだった。
彼には、郷里に恋人が居て、本名は日奈子だが、手塚治虫「ブラックジャック」のピノコに似て大きな目をしていることから、そう呼ばれている。
木更津の印刷会社に勤めていて、俊太郎とは「遠距離恋愛」をしていることになっているが、メッチャクチャ忙しい俊太郎とオフが合わず、なかなか逢う機会もない。
地元の古い造り酒屋の一人娘で、父からは早く婿を取って家業を継ぐように、やいのやいの言われている。
携帯電話のない時代、家に電話をかけると必ず父親が出て、俊太郎と判るとケンモホロロの対応をするので、二人を結ぶのはPCメールだけ。
鏡 耀子は三十代半ばの女優兼歌手。類い希な美貌と、歌唱力、すごいオーラの持ち主で、彼女が歩く所にだけ陽が差すような感じの女性。実力・人気とも高い位置にある”スター”だ。
彼女が案内人となって各地を旅する番組を持っているが、撮影のメンバーは、彼女とディレクター、カメラと俊太郎。一番下っ端の俊太郎は録音の仕事の他にあらゆる雑用をさせられ、こき使われている。
鳥取へ、沖縄へ、ロケに同行するうちに、耀子との間に自然と心の交流が出来ていくが、いつしか彼女の圧倒的な魅力の虜になってしまうのだった。
ピノコが彼に寄せる一途な愛も不可欠。年上の美女への思いも断ち切れない・・・・・
そしてある時、耀子がキジマに報われない愛を捧げていることを知ってしまう・・・・
これも、せつない、せつない物語・・・なんです。

