七転び八起きQ転び 邱世嬪
2006年 05月 18日
邱永漢サンの長女、邱世嬪(Qイヤ、きゅう・さいぱん)サンのエッセイ集です。
サブタイトルにあるように「邱家の子育て親育て」を40数編の、ほぼ年代順に並べられたエッセイで、語った書です。
彼女は、香港のセント・マリー病院で生まれました。ウィリアム・ホールデン、ジェニファー・ジョンーンズ主演の『慕情』の舞台となったところです。
両親は、彼女にジョゼフィンという立派な英語名をつけました。ナポレオンを蕩かした美女にあやかってのことだそうです。中国語で書くと、如世賓。ちょっと縮めて世嬪、世にも希な美女という意味です。裏表紙の写真を見ると、絶世の美女・・・とは言えないかもしれないまでも、魅力的な、可愛い容貌をしています。
父の永漢サンは、ご存じのように、台湾生まれ、香港で結婚して日本へやって来ました。昭和30年に『香港』で直木賞を、新田次郎サンの『強力伝』と並んで受賞しています。
小説家として名を挙げたと思ったら、株の評論家に大変身。「文士のくせに、金のことを書くなんてケシカラン。直木賞をとりあげてしまえッ!」と怒ったエライ先生もいたそうです。
お母さんの苑蘭サンは、古い漢方薬屋の三女ですが、日本へ来ても言葉が不自由です。
押し入れを直しに来た大工さんに「オシリヲナオシテ」と何度言っても通じないので、押し入れの前まで引っ張って行ってやっと分かって貰えたそうです。大工さん「いくら俺でも、お尻は直せねえ」
また、タクシーに乗り、家に着いたところで「ココデコロシテ」と言って運転手さんを驚かせたそうです。
・・・という訳で、殆ど全ページ笑えます。
世嬪(さいぱん)サンは占星術をプロとして始めたり、中国料理家として活躍したりで、1987年当時は、代官山で手作りハムの店”ヘクセンハウス”を経営しているそうです。
お父さんの血を引いて、文才も商才もあるようですね。
my書棚を探したら、コレがありました。


