越乃雪 (大和屋)

どの和菓子の本を読んでも
日本三大銘菓の一つ
と記されています。

由来について少し述べさせて頂きます。

新潟/長岡市の名物。大和屋の創製品です。これは古いお菓子で、長岡藩九代の主、牧野忠精が安永七年(1778)に病にかかった時、金物屋で藩に出入りしている岸庄左衛門が、この粉菓子を作って献上したところ、出来が非常によかったので、藩侯の気に入り、”実に天下比類なき名菓なり。吾一人の賞味は勿体なし。これを当国の名産として売り広むべし”というお言葉と共に、「越乃雪」という菓銘を頂戴したようです。大和屋は代々藩の菓子司となり、ついに北越の名菓子として知られるようになりました。

杉折にぴったりと隙間無く詰まっていて実に美しいですね。一子相伝の秘法によってモチ米の寒晒し粉に和三盆を加えたものを天然の湿気の中で寝かせ、型で固めた一口大の落雁です。
守安正さんは、著書「和菓子」のなかで、非常に詩韻に富み、情趣があっていい。と書いています。
また、仲野欣子さんは「和菓子彩彩」で、口中に溶ける感触から、誰もが雪深い越後の里へと想いをはせることでしょう。と述べています。

それでは、ご紹介しましょう。
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この箱、11センチ5ミリ四方です。
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この黒文字は伊達です。指で、そうっと摘ままないと、端からボロボロ崩れてしまいます。むしろ、匙の方がいいかも知れません。崩れたものを掬って、頂けますからね。
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牧野忠精侯が、どんな病だったかつまびらかにしませんが、多分このお菓子で全快されたんじゃないかと思えるくらいの、格調高い、品格のある美味しさです。
毎日、ひとつずつ、チマチマと頂いている雨漏り家です。

これに興味をお持ちの向きは、こちらからどうぞ。
by amamori120 | 2006-03-15 23:28 | 甘党キングダム(いろいろ)