景山民夫を読む18 「旅立てジャック」
2006年 02月 08日
1995.9.6 初読了 2006.2.8 再読了
平成7年頃は「景山民夫」を意識して読んでいた訳ではなく、昨日の「群ようこさん」の記事で、テオさん、pecoちゃんへのレスにも記したように、「旅行・紀行物」を手当たり次第に読んでいた時に、偶々本書が目について読んだ・・・ということなんです。
昨年、「景山民夫」を意識して読み出し、、「景山民夫を読む」などというカテゴリーを設けたほどですが、ある時、my書棚の旅行・紀行物を集めたあたりを見ていて「オッ景山民夫の本があるっ」と、本書を「発見」して、約10年ぶりに再読に及んだ次第です。
10年経っても少しも古くなってない・・・というのが再読の感想です。
それは、「旅の極意」というものは不変だからで、本書は、○○の△△が安いとか、□□の××が旨い、などという「ガイドブック」じゃないからですね。その意味で本書の帯 ”旅の達人が贈るお買得情報満載・・・”というのは不適当ですね。この本の価値を貶めているような気がします。
扱われている題材は、すべて海外旅行。パスポート取得から、旅立ち、旅行中、帰国、帰宅まで、海外旅行のあらゆるシーンに筆が及び、一読、愉しみながら旅の達人になれる(かも)本です。
巻末の、景山が旅の師匠と仰ぐ写真家・浅井慎平さんとのトラベル・トークも耳を傾ける価値ありと思っています。
・・・まず、あの音がいけない。世界中のどの空港にいても、遠くから、キャスターの回転する「ゴロゴロゴロ」という音が聞こえてくると、ゾッとする。十中八、九、日本人である。あの「ゴロゴロ」は、如何に空港という場所が喧噪に満ちていても、妙に浮いて耳障りに聞こえる。おまけにキャスターが付いていて自分で引っ張って運ぶ、というシステムは最初から、ポーターの存在、彼らに荷物の運搬を依頼するという考え方そのものを否定しているのである。俺ぁ、ポーターなんぞに頼んで余計なゼニ使うような真似は絶対しないぞ、という主張があの「ゴロゴロゴロ」である。
ついでにいえば、自らの筋力をもって自分の荷物を運ぼうという気概を放棄しているようにも思える。やせ我慢といわれるかもしれないけれど、重いたってチェックイン・バゲージなのだから30キロもあるまい。歩くたってせいぜい数百メートルだろう。
そのくらい、旅行出来る程度に健康な人なら何とかなるだろう。その努力を否定し、横着を決め込んでいるような気がする。
やだなあ、あの「ゴロゴロ」ケースは。 だそうな。 ドキッ。
おもしろおかしい一文に、「そう言われてみれば、そうかも」と変に盛り上がってしまった今宵の私でした。
キャスター、自分で引く分には必死なんで、気にならないのですが、人のは気になる・・・確かに耳障りではありますね。でも歳をとっても旅をしたいとなると、仕方ないよ・・・って思ってしまう私は軟弱者かも(^^;)
旅・・・どこか遠くに行きたい アレッ?