横山秀夫を読む 10 「半落ち」
2005年 09月 25日
次女に言われて、映画「半落ち」を観に行ったのはいつ頃だったのでしょうか? その時、初めて横山秀夫を、はっきりと認識したような気がします。
寺尾聡と佐藤浩一が主演でしたね。(「亡国のイージス」もこの二人が主演でした。)
「半落ち」を読了したことで「横山秀夫・完読」にリーチがかかったと思います。後は「真相」を残すだけじゃないかな?
ストーリーは皆さんよくご存じだと思いますが、少しご紹介してみます。
W県警のW中央署に、県警本部教養課次席の梶警部が、妻を殺したといって自首してきた。動機も状況説明も実に明確だった。しかし、12月4日に妻を殺してから12月7日に自首するまでの2日間のことが問題になるが梶は一切喋らない。他のことについては、なんの矛盾もなく、穏やかに話す梶だが、この2日間についてだけは完全黙秘を頑として崩さない。
「完落ち」と思われたのに、これでは「半落ち」だ。
警察としては、1 遺体に寄り添っていた
2 死に場所を求めて”県内”を彷徨っていた
3 妻を殺したショックで2日間のことはよく覚えてない
1,2,3のうち2を発表したが、梶が新幹線上りホームにいたという目撃証言が出され、警察当局は窮地に立たされる。
「空白の2日間」。警察官として、また多くの教え子を持つ教官として、泥まみれになることを承知で、さらには留置場や刑務所で生き恥を晒すことさえ厭わず、黙り通さねばならない理由とは?
「空白の2日間」をめぐり、W県警本部捜査一課強行犯指導官(警視)・志木和正、W地方検察庁検事・佐瀬銛男、東洋新聞記者・中尾洋平、弁護士・植村学、W地裁判事・藤林圭吾、M刑務所統括矯正処遇官・古賀誠司 彼らの視点で物語りは進む。
全297頁のうち287頁が、この「空白の2日間」の解明に宛てられる。
そして最後の10頁。感動的な結末に涙する人は多いだろう。

