山田宗樹「嫌われ松子の一生」

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2003.2 幻冬社・刊  ¥1,680  05.9.5 読了

昨年六月にgetしてあったのですが、何故か一年以上も放置してました。
多分、タイトルが悪いのではないかと思います。(じゃあ、何故getしたんだ?と突っ込まないで下さい。) 或いは、サブタイトルが小さくて見えなかったから。因みに、サブタイトルは A woman who kept searching for love  というもの。これに気付いていたら、もっと早く読んでいたと思います。
最近、書店で文庫の新刊として平積みになっているのを見て、アレッと思い、これが契機で本書を手にとりました。

「嫌われ松子」などと聞くと、知性や品のかけらもなく、口汚く、金棒引きで、色黒で憎々しげな顔、近所のみんなにも嫌われている、どうにもならないオバハン、というイメージを持ってしまいますが、全然違います!
ちゃんとした家庭に生育し、国立大を卒て母校の中学に国語教師として奉職した川尻松子は、楚々とした知的な美人です。
幸福な未来が待っている筈でした。
ところが三十年後、東京・北千住の安アパートで、撲殺死体となって発見されるという悲惨な一生を送ることになろうとは!
松子の甥、笙(しょう)の探索によれば、松子の一生は、サブタイトルの如く、真の愛を探し求めながらも、運命に翻弄され、ついにそれを得ることの叶わなかった悲しい一生でした。

中学校長の理不尽な性的振舞から始まる事件で中学校を辞めさせられ、家から失踪して喫茶店のウエイトレスをやる間に、太宰治の生まれ変わりと思いこんでいる文学青年を愛して同棲。彼の自殺。金のためトルコ(ソープランド)嬢への転落。悪いヒモに取り付かれ、シャブの常用。預けた金を使い込まれ誤って彼を殺害。文学青年の後追い自殺をしようと玉川上水へ行くも果たせず、気のいい床屋と知り合い、二ヶ月ばかりの楽しい生活を送るが、ヒモ殺害の全国手配で逮捕。八年の懲役。服役中に美容師の国家試験に合格。出所後は美容師として働くが、或る美容室でとんでもない男と遭遇。それは彼女の中学での教え子で今はヤクザになっている男だった。そもそも、この男が中学の修学旅行で宿屋の売店から金を盗み、松子が身代わりになったことから教師を辞めさせられる破目になったのだった。なのに、この元・教え子を愛し同棲。ところが、かれはシャブを扱っており、松子はまた常用者となる。組織を裏切った男は殺されそうになり、結局松子と共に警察に捕まり、松子は又一年の懲役・・・・・・

読んでいてイライラさせられるほど、松子の立ち回りは最低。
人を愛し、人からも愛されたのに、運命に嫌われた松子の一生でした。
by amamori120 | 2005-09-07 19:18 | 読後感・本の紹介