若竹七海「心のなかの冷たい何か」

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1991.10 東京創元社・刊  ¥1,850  05.8.21 読了

著者は女探偵が好きらしい。
シャロン・マコーン
ヴィク・ウオーショースキー
キンジー・ミルホーン
アンナ・リー
クラリス・スターリング
ミランダ・トレス
カーロッタ・カーライル
レベッカ・シュワルツ
ジェーン・マープル
ジェシカおばさん
ハニー・ウエスト
メイヴィス・セドリッツ
ナンシー・ドルー
女密偵おまさ ・・・・・・・・・・

あなたは、このうち何人ご存じですか?
私は、6,7人くらいしか知りません。

さて、「心のなかの冷たい何か」 この小説にも女探偵が登場します。しかも、二人も。
第一部では、一ノ瀬妙子。女探偵と言っても職業ではなく役柄です。
この妙子と若竹七海(著者も登場します)が旅先で知り合い、クリスマス・イヴを、一緒にケーキでも食べて過ごそうと約束する。ところが、イヴの数日前に、妙子が自殺未遂?を起こしてしまう。何故だろう?
じきに妙子が差し出した郵便物が七海のもとに届く。入っていたものは、異常な育てられ方をした一人の男の手記だった。
或る大商社の役員と社内不倫をしていて、彼の死後、精神・肉体がボロボロになって入院し、植物人間状になった女子のことを探りに、この会社に入った妙子だった。
判ったことは、この会社には、例の女子以外にも原因不明で体調を崩している人が複数居るらしいこと。これには、「手記」の筆者が絡んでいるらしいこと。女子は砒素を密かに(駄ジャレです)飲まされていたらしいこと。社内に、お守り用宝石の密売組織が存在するらしいこと。そして、「手記」を書いたと疑える何人かの男達のこと。

第二部では、今度は若竹七海が探偵役で活躍します。
妙子の自殺未遂?の原因を探る為だ。
妙子は、ガスで自殺を図ったとされ、やはり植物人間状態になっている。

女探偵・若竹七海は果たして、一ノ瀬妙子の、そして以前の「事件」を解決出来るのだろうか?、「手記」を書いた男を特定出来るのだろうか?心のなかに冷たい何かを持った人間とは?


暑い一日、著者に振り回されながら読了しました。
by amamori120 | 2005-08-28 10:33 | 読後感・本の紹介