大森由紀子「フランスお菓子紀行」
2005年 07月 23日あとがき を先に読むという悪癖?の持ち主たる私ですが、今回もその例にもれず、やはり先に読んじゃいました。
それによれば 「フランスの中心はパリだが、パリに住む人のほとんどは地方出身者である。なのにパリでは、地方菓子がほとんど見られない。多くの地方菓子は、その土地で産出される素材や、そのお菓子にまつわるストーリーを背景にしているため、その地方でしか作られていないのである。地方の産物を用いた田舎のおばあちゃんの、また、理由あって作った修道女の、あるいは土地土地に伝わるキリスト教のお祭りのお菓子などを通して、フランスという国の性格や歴史を学ぶことができた。地方菓子は、フランスそのものを伝える文化である。」
ということで、著者はフランス全土を踏破、見事なお菓子紀行をなしとげました。訪問先の概念図を下に掲げます。
○印で囲まれたパリ地方を除き、それぞれの地方を尋ね、特有のお菓子を探しまくる訳ですが、上手く邂逅できたり、幻に終わったりします。
詳述の煩を避け、目次のみを掲出します。 あとは想像力を働かせて、お楽しみ下さい。
美食部長はフォアグラのおなか シャンパーニュ
マクドナルドとフロランティーヌ ロレーヌ
クグロフの真実 アルザス
ガトー・サヴォワはもうなかった アルプス
ディジョンのフクロウ ブルゴーニュ
タクシーの運転手がレシピをくれた リヨン
パリっ子の嫌いなクレープとは ブルターニュ
雨とリンゴの関係 ノルマンディー
かあちゃんに逃げられたパン屋 プロヴァンス
「海のセミ、ください」 コートダジュール
ミシュランなんてどうでもいい ラングドック
カヌレ型の後悔 南西部
「ワタシ、ニネン、ニホンニイマシタ」 ロワール
クラフティーはどこ? 中央高地
フランスのお菓子だけじゃなく、歴史、地理、風土など色々勉強できる本でした。