青島幸男を読む 2 「人間万事塞翁が丙午」

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これは昭和55年~56年に「小説新潮」に連載され、昭和56年に直木賞を受賞した青島幸男さんの作品です。
「ぴいひゃらどんどん」「繁盛にほんばし弁菊」 に続く青島さんのルーツ三部作の最終巻となります。ですから青島さんも、幸二という名前で登場します。彼は、ご幼少の砌、虚弱な子供で胸を患ったりして、25才まで保てば、それ以降は丈夫になるなどと言われたりしていたようです。

さて、主人公は、謙一、幸二兄弟の母、ハナさんです。(↑の系図を参照下さい。)父の次郎さんも出ますが、なんといっても主役はハナさんです。幸二達からは祖父母にあたる謙二・こう夫婦は、もうすっかりご隠居さんです。この夫婦の代に始まった、仕出し弁当屋の”弁菊”も、日本橋堀留町で大繁盛しているのですが、これを実際に切り盛りしているのはハナさんなんです。あまり活躍しない亭主の次郎さんは、兵隊としては優秀だったらしく、支那事変(日中戦争)にも召集されてしまう。(戦争末期にも、また召集される。)
昭和20年に入り、日本本土への空襲が激化し、延焼防止のため弁菊は取り壊されてしまう。
そして戦後、弁菊のあった場所の近くで、今度は旅館を始める。祖父母は弁菊の名に拘ったが、主役は名実共にハナさん。”花屋旅館”の看板を掲げることになった。場所が良くて、この旅館も繁盛するが、女中頭が辞め、自分ですぐ近くに旅館を開業して、花屋旅館の客を奪ったり、次郎さんが浮気をしたり、そして52才で若死にしたり、丙午のハナさんの苦労の種は尽きない・・・      05.7.13読了  1981新潮社・刊 ¥880
by amamori120 | 2005-07-20 22:58 | 読後感・本の紹介