「戒名で読む歴史」 上

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戒名?! 

当分の間、あっしには関わり合いのねぇことでござんす017.gif










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三谷茉沙夫・著 1993.5 三一書房・刊 ¥850

戒名というものはキリスト教にもイスラム教にもありません。
仏教だけのものです。
しかし、お釈迦様は戒名のことは何にも教えてないんですね。
仏弟子たちが「サンガ」という集まりを開くとき、俗名では参加できず法名を付けたのが始まりとされています。
中国にも伝わった訳ですが、やはり生者で仏門に帰依した者にだけ付けられたようで、日本のように、死者に付けるものではなかったようです。
現在のように死者に戒名を付けるようになったのは、仏教が葬式儀礼と結びついたからだと言われています。

日本で最初に戒名を受けたのは、なんと聖武天皇で「勝満」というもの。同時に受戒した多田満仲(日本史で習いましたネ)は「満慶」だったそうです。
当時の戒名は二字で、一字というのはありません。
以下、色んな戒名をご紹介して行きますが、一般的に字数が多いほどエライと言われます。

「戒名」にもランキングがあります。
基本的には、仏寺への貢献度--即ち喜捨の額によると思って間違いありません。


  男       女

大居士      清大師
居士        大姉
大禅定門     大禅定尼
禅定門      禅定尼
清信士      清信女
信士        信女


安土桃山~江戸時代までは、貴族・高級武士だけが戒名を受け、一般庶民にはありませんでした。
しかし江戸時代から、寺請制度というのができて、皆、必ずどこかの寺に檀家として登録しないといけない--戸籍みたいなものですね--ことになり、必然的に庶民にも普及しだしたようです。
ただ当然ランキングも導入されていて、大名クラスは大居士、武士は居士、庶民は信士でした。


本書では、古今の有名人の戒名を、面白そうなエピソードとともに、時代背景の解説と一緒に紹介しています。


拙が興味深いと思ったのを、いくつかUPしてみます。




源 義経    捐館通山源公大居士 しゅうかんつうざん

        捐には、譲る、捨てる、放棄するという意味があって、衣川の
        館を捨て、山を通り抜けて脱出した男・・・と読めるそうです。
        やはり、ジンギスカンに?


源 頼朝    武皇嘯原大禅門 ぶこうしょうげん

         武皇は武家の棟梁 嘯原は原野に吠える という意味。
         原を源に読み替えて源氏の世を謳歌しています。 


足利尊氏    等持院殿仁山妙義大居士  院殿の付いた最初。
         院は退位した天皇の尊称になっていたので、それと区別
         するため


武田信玄    法性院機山信玄

上杉謙信    不識庵宗心謙信


竹中半兵衛   水徹

織田信長    惚見院殿贈大相国一品泰巌尊義 
         大相国は宰相の唐名。一品は位階の最上位です。
         信長には、総見院殿泰巌大居士、総見院泰巌安公 
         というのもあります。

明智光秀    秀岳院宗光禅定門

豊臣秀吉    国泰祐松院殿霊山俊龍大居士
         堂々たる戒名ですね。

でも
石田三成は   宗応  と、あっさりしたものです

桃源児さんの好きな
加藤清正    浄池院永運(よううん)日乗

徳川家康    安国院殿徳蓮社崇譽道和大居士
         立派なものですね。さらに、一品大相国を加えることも
          あるそうです。

家康の家臣なのに、もっと長い戒名の人が居ます、
榊原康政    養林院殿前太宰職上譽見向大禅定門


またまた、桃源児さんの好きな
宮本武蔵     新免武蔵居士  とさっぱりしたものですが、別に
         賢正院玄信二天居士 もあります。
           
さらに、桃源児さんの好きな
近藤 勇     貫天院殿純義誠忠大居士
          院殿、大居士  たいしたものです。
          これは会津藩から貰ったもので、別に
          勇生院顕光放運居士 というのもあります。

沖田総司     賢光院仁譽明道居士

土方歳三     歳進院誠山義豊大居士

青木昆陽     一誠   甘藷先生、あっさりしています。

平賀源内     智見霊雄居士

滝沢馬琴     著作堂穏譽蓑笠居士

忠臣蔵関係では
浅野長矩     冷光院殿前少府朝散太夫吹毛玄利大居士

吉良義央     霊性寺殿実山相公(しょうきん)大居士

大石内蔵之助   忠誠院刃空(にんくう)浄剣居士

ほかの浪士たちも 刃、剣が全員に共通しています
堀部安兵衛    刃雲輝剣居士  というように。




だんだん草臥れてきたので、ここらで休憩。
残りは明日にします。

お楽しみ頂けたでしょうか?
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Commented by 桃源児 at 2008-08-28 23:33 x
筆者が好きな方ばかり、ありがとうございます。
この本、読んだことがあります。
戒名もエピソードも面白かったので、印象に残っています。
Commented by amamori120 at 2008-08-28 23:36
>桃源児さん  お早いお着きありがとうございます。
本書を読みながら貴兄のことが、しきりに思われました ♪
書棚に蔵える本ですね。
Commented by yumidesu1009 at 2008-08-28 23:46
こんばんHA♪
さすがご主人様ですね~
私、こんな世界を知りませんでしたので、
すっごい勉強になりました。
図書館で借りてきますね。ありがとうございました。
Commented by amamori120 at 2008-08-29 00:15
>ゆみさん  こんばんHA
昨年、亡父の一周忌で、お住っさんと話をしていて、戒名というのは、霊の背番号みたいなもの、と言うので調べてみました ww
次も面白いのがありますから、また覗いてくださいネ
Commented by melocoton1 at 2008-08-29 04:25
戒名>キリスト教にも(カトリックの場合しか知りませんが)洗礼名と堅信名というのもらいます(私も両方持ってます)。
Commented by ミモザ at 2008-08-29 07:18 x
お早う御座います~♪
いつまでも元気なつもりで戒名には関心がなかったのですが、
あーさんの記事を読んでいると、戒名と歴史の関わりもあって
真剣に読んでいました(^_^)v
Commented by い~さん(^.^) at 2008-08-29 08:07 x
戒名~
宗派によって違うようですね 
たとえば
庵~院~殿~院殿 なんてなのもあるようです
また~一部 ないところもあるようです
Commented by こりす at 2008-08-29 09:05 x
興味深く読ませていただきました。戒名には興味なかったんですけど、その人の人生の印象?など一字使う、と言うのって面白いですね。だから死んでからじゃないとつけられない。私はカトリックでやっぱり洗礼名があるんですけど、普段使いませんが使おうと思えば生きてるうちから使えるし・・・結果ではなくこれからどう生きるか、と言う名前ですから、戒名とは違いますね(まあ宗教が違うから当然ですが・・・(笑)この違いもまた面白く感じました♪
Commented by bowie94 at 2008-08-29 09:15
もうちょっとの間は、私も(身内にも)関わりのなきことを祈ります。

でもなんだかんだ、自分だったらどれがいいかな~?
なんて考えてしまったりして・・・。
Commented by かにちゃん at 2008-08-29 10:13 x
この前、ご先祖様の百回忌法要をしました。連なる者として、大事に守って行こうと思います。戒名には生前の功績、人となりが表わされており
尊敬する父親の戒名は気に入っています。「龍泉院建工道毅大居士」
匠の道をまっしぐらの人でした。
Commented by ミー太郎 at 2008-08-29 11:28 x
戒名、もしも自分のを好きに選べるなら一文字が良いなぁ~
サッパリと! (^^)
Commented by ひー at 2008-08-29 18:06 x
こうして見ると面白いですね。
今は、寺との関係・・・あまり関係なくなりましたね。
文字数を買うようなもの・・・先日、同僚の父上が亡くなりました。
そこは、田舎の小さな部落なので、住民とお寺で値段を一律40万と決めているそうです。 院と居士がついているそうです。

会津の小原庄助さん、あの有名な「♪朝寝、朝酒、朝湯が大好きで、そ~れで身上つ~ぶした・・・・・」
戒名を自分で考えたそうです。
「ぐい飲院道楽昼寝居士」www
Commented by amamori120 at 2008-08-29 20:18
>meloさん  レスが遅れました。
あの吉田茂さんの洗礼名ご存じでしょうか?

なんと、 トーマス・モア   だそうですww
Commented by amamori120 at 2008-08-29 20:19
>ミモザさん  レスが遅れました。
真剣に読んでいただき有難うございます♪

私も、ビンボーだから自分で考えようなんて思っています ww
Commented by amamori120 at 2008-08-29 20:26
>いーさん  レスが遅れました。
宗派、土地柄によって様々なことが行われているようですね。
この後、紹介しますが、戒名を拒否することもあるそうです。
Commented by amamori120 at 2008-08-29 20:30
>こりすさん  レスが遅れました。
お読みいただきありがとうございます。
千何百年という伝統をもつ習慣ですから当分続くと思いますが、生前に自分で考えたり、付けなかったり、色んなケースが出て来るでしょう。
Commented by amamori120 at 2008-08-29 20:32
>ヤッホーさん レスが遅れました。
全く太田同感です ww

本日 下 で自分のを発表いたします♪
Commented by amamori120 at 2008-08-29 20:36
>かにちゃん  レスが遅れました。
建工道毅  ですか。  匠の道を正しく歩まれたことが想像されます。
にしても、大居士とはっ!!!  恐れ入りました <(_ _)>
Commented by amamori120 at 2008-08-29 20:37
>ミー太郎さん  レスが遅れました。
一文字とか、ローマ字とか、なんか楽しいのないですかねぇ ww
Commented by amamori120 at 2008-08-29 20:43
>ひーさん  こんばんHA
本書でも、葬式坊主の強欲ぶりを非難しています。
戒名字典かなんかから適当に引っ張り出してきて、高い金を取るんですからね ww

院・居士で40万なら、勤め人でもなんとかなりますネ
ご同僚の部落 良い習慣ですね。

Commented by moimoi at 2008-08-30 10:04 x
戒名に記された歴史の裏と表を読み解く・・
そこに視点を置いて考えるっていうのが、すごく興味深いですね。
段々と周りでも戒名の話題が聞かれるようになってきました、実家の両親は存命中ですが心配になったらしく、既に戒名を付けてもらったそうです・・気が早いというかびっくりしました^^;
Commented by amamori120 at 2008-08-30 10:55
>moimoiさん  おはようございます。

色んなことを考える人が居て、この世は面白いです。
貴・ご両親様 なんとも手回しのよいことで脱帽です。
戒名で読む歴史 下 では、拙の考えた戒名を発表するつもりですww
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by amamori120 | 2008-08-28 23:19 | 読後感・本の紹介 | Trackback | Comments(22)