ルナール 「博物誌」

ルナール 「博物誌」_d0065324_23181720.jpg「博物誌」 ジュール・ルナール   岸田国士・訳
1990.3 白水社・刊 ¥2,000

『にんじん』 『ぶどう畑のぶどう作り』で有名なルナールの『博物誌』。
”簡潔”な表現、興味深いですね。
なかでも、超簡潔ないくつかをご紹介します。









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とかげ
  塀ーー「なんだろう、背中がぞくぞくするのは・・・」
  とかげーー「おれだい」



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ろば
   おとなになったうさぎ。


やまかがし
   いったいだれの腹からころがり出たのだ、この腹痛は?


みみず
    こいつはまた精いっぱい伸びをして、長々と寝そべっているーーー
    上出来の卵うどんのように。


へび
    ながすぎる。


くも

    髪の毛をつかんで硬直している。まっ黒な毛むくらじゃらの小さい
    手。

    一晩じゅう、月の名によって、彼女は封印をはりつけている。




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ちょう
     二つ折りの恋文が、花の番地を捜している。


小ばち
     いくらなんでも、それでは自慢の腰つきが台なしになる。

とんぼ
     彼女は眼病の養生をしている。


ほたる
      いったい、何ごとがあるんだろう?もう夜の九時、それにあそこ
      の家では、まだあかりがついている。





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あり
     一匹一匹が、3という数字に似ている。
     それも、いること、いること !
     どれくらいかというと、333333333333・・・・・ああ、きりが
     ない。

あぶら虫
      鍵穴のように、黒く、ぺしゃんこだ。

のみ
      ばね仕掛けのたばこの粉。


鯨     コルセットを作るだけの材料は、ちゃんと口のなかにもって
       いる。が、なにしろ、この胴まわりじゃ・・・・! 




「博物誌」と言うくらいですから動物だけじゃ片手落ち。
次回は、植物を少し ♪
by amamori120 | 2007-08-10 23:26 | 読後感・本の紹介