ルナール 「博物誌」
2007年 08月 10日1990.3 白水社・刊 ¥2,000
『にんじん』 『ぶどう畑のぶどう作り』で有名なルナールの『博物誌』。
”簡潔”な表現、興味深いですね。
なかでも、超簡潔ないくつかをご紹介します。
とかげ
塀ーー「なんだろう、背中がぞくぞくするのは・・・」
とかげーー「おれだい」
ろば
おとなになったうさぎ。
やまかがし
いったいだれの腹からころがり出たのだ、この腹痛は?
みみず
こいつはまた精いっぱい伸びをして、長々と寝そべっているーーー
上出来の卵うどんのように。
へび
ながすぎる。
くも
髪の毛をつかんで硬直している。まっ黒な毛むくらじゃらの小さい
手。
一晩じゅう、月の名によって、彼女は封印をはりつけている。
ちょう
二つ折りの恋文が、花の番地を捜している。
小ばち
いくらなんでも、それでは自慢の腰つきが台なしになる。
とんぼ
彼女は眼病の養生をしている。
ほたる
いったい、何ごとがあるんだろう?もう夜の九時、それにあそこ
の家では、まだあかりがついている。
あり
一匹一匹が、3という数字に似ている。
それも、いること、いること !
どれくらいかというと、333333333333・・・・・ああ、きりが
ない。
あぶら虫
鍵穴のように、黒く、ぺしゃんこだ。
のみ
ばね仕掛けのたばこの粉。
鯨 コルセットを作るだけの材料は、ちゃんと口のなかにもって
いる。が、なにしろ、この胴まわりじゃ・・・・!
「博物誌」と言うくらいですから動物だけじゃ片手落ち。
次回は、植物を少し ♪