天然純朴の湯 5 九州
2007年 02月 17日天然純朴の湯! ですよっ
ガイドとしてもデータは揃っていますが、なにより本書は手練れの作家が書いた極上の温泉エッセイです。
九州
この温泉は、別府市を見下ろす高台にあって、ムカシは日本一の明礬の産地だったためこの名がある。どろりとした濃縮の湯で、皮膚病にはテキメンの効果がある。湯がドーンとボディブロウをかますのだ。そのくせ湯上がりはさっっぱりするんだから、魔物のような湯なんだな。
武雄温泉 佐賀県武雄市
鍋島藩の殿様専用風呂として使われていたため、殿様湯の名がある。
ビーンと気合いが入った単純重曹泉で胃腸病、肝臓疾患に効く。つまり宿酔いがなおる。
つかっていると、汗がジリジリと出て、湯入りがシャキッとなるから、宴会疲れの殿様にはぴったりだったんだろう。
嬉野温泉 佐賀県嬉野町
やわらかくとろりとした炭酸アルカリ泉で、リューマチ、婦人病に効く、甘く、ウエットな湯がカラダにすりよってくる。情の深い湯だ。
黒川温泉 熊本県阿蘇郡南小国町
洞窟の奥をぐるりと一周できる。おそるおそる進んでいくと、太古の自然洞窟のなかを探検する気分 で、ウキウキする神秘の湯気に包まれた。・・・
心がはずむ湯である。勇気がわく。
露天の湯に曇り空が反射している。曇り空の奥からわずかに日が射すと湯が黄金に輝いた。
にぶい曇り空を映す湯から黄金が湧き出すようで、陶然として湯の光を見つめた。カラダがメッキされ るような不思議な力を持った湯である。
古里温泉 鹿児島市
桜島の古里温泉は林芙美子の母・キクが温泉宿の娘として住んでいたところで、キクは14歳年下の 行商人と知り合い、身ごもってから桜島を出奔し、芙美子を生んだ。
・・・龍神が棲む湯だから湯客は「南無観世音大菩薩」と書かれた白い浴衣を着て入浴する。
・・・朝湯につかりながら日の出をおがむなんて、いいじゃないですか。海辺の露天風呂ならではの悦楽境だ。
これ以外に下記が選ばれています。
満願寺温泉 熊本県阿蘇郡南小国町
平内海中温泉 鹿児島県屋久町
寝待温泉 鹿児島県上屋久町
寒の地獄 大分県九重町
指宿温泉 鹿児島県指宿町
北海道はコチラ をご覧ください。
東北はコチラ 〃
関東・中部はコチラを。
近畿・四国はコチラです。
温泉教授・松田忠徳「女性のための ホンモノの温泉案内」
お付き合いくださりありがとうございます。
嵐山サンのエッセイに乗せられて、どっかへ行きましょうヨ ♪