2.26事件

今日は2月26日。2.26事件が起きた日です。
別名義のブログで昨年UPしたものを再掲します。

2.26事件_c0039999_22334042.jpg今を去る70年前、即ち昭和11年2月26日、この事件は起きました。所謂「ニーニーロク事件」あるいは「ニーテンニーロク事件」です。
 これは、度々映画化されたし、数多くの本も書かれているので、何を今更blogに?という感じも否めないのですが、今日のような寒い朝だと、「ああ、70年前の今朝は東京にも雪が降っていて、2.26事件が起きたんだなあ」と思ってしまいます。
 ご案内のように、この事件は、一言で云えば、近歩一(キンホイチと読みます。即ち、近衛歩兵第一連隊ですね)を中心として、青年将校達が部隊を引き連れ、昭和維新実現のために、彼らが、君側の奸と見なした重臣達を襲撃した事件です。
 当時の日本は、ひどく不景気だったようです。特に農村の疲弊は甚だしく、餓死する者も居たし、一家のため泣く泣く娘を身売りさせることなどザラだったようです。おまけに、兵隊というのは、これら農村出身の壮丁が大部分でありましたから、働き手を奪われて、ますます農民の困窮度は強くなるばかりでした。
 これら農民出身の兵達と毎日接する下級将校達が彼らに深い同情を覚え、ひいては軍の弱体化さらには国の滅亡を恐れ、現状打開のためには、昭和維新の断行しかないと思い詰め、ついに蹶起に至ったようです。
 青年将校達の国を憂れえる気持ちには共感できる部分がたくさんあります。

 事件の推移については、ここでは記しません。「義軍」と、最初は、おだてられた彼らも、天皇が激怒したら「叛乱軍」にされてしまい実に悲惨な最期を迎えたことだけ記しておきます。

 私は、軍人だった父の影響で早い時期から「戦争」に興味を持ち、関連の本を随分読んで来ました。書斎の壁(四面)のうち一番大きな一面は、これら戦争関連図書で占められています。(写真参照)これらの中には、2.26事件に触れたものも相当数ありますが、私が、この事件を詳しく知りたいと思う方にオススメするのは、松本清張「昭和史発掘」文春文庫 7~13巻 です。実に詳細に、冷静に、的確に記述されていて、これ以上のものはないと思っています。
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【参考】
 1 陸軍の階級   下から
     二等兵、一等兵、上等兵、兵長・・・「兵」と総称される
     伍長、軍曹、曹長・・・下士官
     准尉・・・准士官
     少尉、中尉、大尉・・・尉官                    士官
     少佐、中佐、大佐・・・佐官(左官ではない)           ↓
     少将、中将、大将・・・将官(閣下と呼ばれる。将軍。)     ↓

 2 陸軍の組織  部隊(現場)と官衙(かんが=オフィス) があるが、ここでは、部隊につき
     分隊(長:軍曹)
     小隊(長:少尉)
     中隊(長:大尉)
     大隊(長:少佐)
     連隊(長:大佐)
     旅団(長:少将)
     師団(長:中将)
     軍(司令官:中将)
     方面軍(司令官:中、大将)
     総軍(司令官:大将)・・・・・・関東軍、南方軍、支那派遣軍など 
by amamori120 | 2006-02-26 23:11 | 読後感・本の紹介