佐々木譲「真夜中の遠い彼方」
2006年 01月 29日歌舞伎町が警察と暴力団によって完全に封鎖された。
売春を暴力団に強要されたヴェトナム難民の20才の娘が、その暴力団組長を、彼の拳銃で射殺し、34才のスナック店長のところに逃げ込む。
窮鳥懐に入れば・・・で彼女を匿った店長は彼女を逃がしてやることができるのか?
包囲網はジワジワと狭まってきた。店長は、彼の店に氷を納品に来ている若者が、暴走族の頭だったことを利用しようと思いつく・・・
「エトロフ発緊急電」で一躍冒険小説の雄となった佐々木譲の初期作品の一つ。数年後のブレークを予感させる傑作エンターテインメントである。
日本一の歓楽街、新宿歌舞伎町に蠢く様々な人間達の生態が見事に描かれている。