イタリア・トスカーナの優雅な食卓
2005年 12月 10日宮本美智子・文 永沢まこと・絵 1994.5 草思社・刊 ¥1,890
オリーブ、葡萄、糸杉の緑が織りなす、名画のような田園風景。自然の恵みがもたらした新鮮な野菜、パスタ、チーズ、ワイン・・・
ルネッサンスを育み、西欧社会の理想を具現する地トスカーナには、シンプルにして、芸術的な食卓があった!
宮本美智子さんが、”伴侶”の永沢まことさんと娘さんと共に、トスカーナの田舎に滞在し”食”を中心に、田舎暮らしの楽しさを語ってくれます。
永沢さんのステキな絵を出来るだけ、お見せしたいと思います。
彼女達が”住んだ”のは、フィレンツェとピサの中間くらいのセアノ村から更に奥に入ったあたり、カペッツアーナというところです。ここはボナコッシ伯爵の所有地で、その敷地はなんと655ヘクタール。どのくらい広いかというと・・・ええっと・・、とてもとても広いんです。
伯爵一家の住む屋敷は、ヴィラ・ディ・カペッツアーナとして知られ、なんとなんと15世紀に建てられたものだそうです。しかも、元々はあのメディチ家のものだったそうです。
彼女が見せて貰った部屋だけで30以上もあり、どの部屋にも名作の譽れ高い絵画や彫刻が飾られているそうです。
ボナコッシ伯爵家はワイン製造を業としています。カルミニャーノ・ワインのヴィラとして有名なのだそうです。 ワインのことは「ワイン手帳」をお読みください。
トスカーナは南仏プロヴァンスと並ぶ、ヨーロッパ人、とりわけ英国人のあこがれの地であるそうで、「トスカーナには新鮮でおいしい食事と素晴らしい風景と野菜と花の香り、プロヴァンスにあるものすべてがある」と言われています。
健康美容食を追求していった先が何故イタリアだったか?
宮本さんの答えは「野菜が多くて新鮮だから。」しかもパスタでとる炭水化物は、消化がよく、おなかにもたれなくて心地いい、と言っています。
↑の野菜達 左ページ ペペロ-ニ、ルーコラ、ズッキーニ、キュウリ、トマト、パセリ
右ページ バジリコ、カルチョフィ、ナス、タットゥーガ、フィノッキオ、 ラディッキオ・ロッソ
こういう野菜だけでなく、オリーブもチーズもワインも肉(兎等)も全部、伯爵家では自給自足できるんだそうです。スゴイですね。
宮本さんたちは、伯爵家から、ひと山離れた伯爵の妹夫婦のヴィラの一部に滞在するんですが、畑から好きなだけ野菜を摘んで食べてもいいと言われ、本物の野菜をたらふく食べています。
永沢さんは、パルミジャーノ・レジャーノの、あの塩味と口の中でまろやかに溶けていくときのうまみに魅了されたそうです。 ヨーロッパのチーズの歴史は古く、最も古いのは、イタリアのペコリーノ(山羊)でBC1世紀ごろから、次がゴルゴンゾーラ(青カビ)で9世紀、パルミジャーノは10世紀、そのあとにスイス、フランスのチーズが続くんだそうです。
大家さんや、その友達、伯爵家そして、ここを拠点にヴェネツィアやジェノヴァまで足を伸ばし、優雅なそして素朴な、ヘルシーな食卓を楽しむのです。
こんな本も出ています。