横山秀夫を読む 1 「影踏み」

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TVで「三の時効」、映画で「半落ち」。これが横山秀夫との出会いでした。
本屋に行けば、彼の新刊書が「平積み」されているし、都内某区立中央図書館の知人にも勧められたのに、あまり彼の「本」を読む気になれなかったのは何故だろう?
影踏み」も大分前にgetしてあったのに、ずっと積ン読の状態でした。それが今回、SNOOPYさんの記事に触発されて、やっと読む気になりました。
読み出したら、これが面白い。スルッと読了してしまいました。
2003.11 詳伝社・刊 ¥1,785  05.7.31 読了

そして本日 「ルパンの消息」「震度0」を買っちゃいました。

さて本書ですが、ミステリーですからネタバレさせる訳にはいきませんが、軽く触れると;
主人公の真壁修一は”泥棒”だ。忍び込み専門の、サツ用語でノビというやつですね。”ノビカベ”という異名まで持っている。司法試験合格も間違いなしと言われた優秀な法学部学生だった彼が何故、泥的になったのか?それは、彼の”影”である双子の弟、啓二が、父母と共に火事で焼け死んだのが大きな原因だった。
物語は彼が刑務所から出所するところから始まる。恋人の久子は迎えに来なかった。
彼が懲役を喰らう破目になった最後のヤマの”謎”の解明に向けて行動を始める。生活費を稼ぐため適度にヤマも踏む。深夜、寝静まった家に忍び込み、主人夫婦が就寝している部屋に入って行くときの描写なんかとても迫真的で、こっちがドキドキするほどの巧さ。
最後のヤマ。そこで修一が見たものは眠っている夫婦だが、女房のハッとするほど真っ白なうなじを目にして、これは眠ってないと感じた。そして何故か、女房が亭主に殺意を持っていると直感した。何故? 何故? 何故?
この”謎”を追って物語は進む。
彼の”影”である啓二の死の真相も明らかにされる。
by amamori120 | 2005-08-11 18:33 | 横山秀夫を読む